閉経後のデリケートゾーンのお手入れ
いわゆる「プライベートパーツ」、あるいは「デリケートゾーン」の悩みで受診されてくる方が最近多くなりました。各世代によって訴える内容に違いはありますので、今回は閉経後の女性のデリケートゾーンのトラブルについてお話しします。
大規模調査によると閉経後の女性の27~84%が、デリケートゾーンに何らかの不快感を持っていると報告されています。その理由に、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが加齢により低下してくると、膣内のコラーゲンが減少し、萎縮という現象が粘膜に生じた結果、乾燥・かゆみ・におい・性交痛・尿漏れ・頻尿などを感じやすくなるからではないかと考えられます。
普段から過剰なナプキン使用や洗いすぎには気を付け、突っ張る感じ、ひりひりするなど、乾燥しているような時にはお手持ちの無香料保湿クリームを使用することもお勧めします。下着の素材にも気を付け、ご自分の体型にあった締め付けすぎないものを身につけましょう。
おりものが増えてきて下着に付いたり、出血が混じる場合や、自分で工夫してみたけれど改善しない場合には、治療を要することもあるので、早めの受診をお勧めします。
閉経後はエストロゲンのバリアがなくなるので、筋肉量を維持することが難しくなり、太りやすくなるものです。体重が増えすぎないようにコントロールし、骨盤底筋群にも負担をかけないように、普段から膣と肛門をキュッとしめる体操も心がけましょう。
デリケートゾーンの悩みはなかなか相談しにくいことですが、加齢に伴う身体の変化に気が付き、婦人科検診を含めたセルフケアをしながら、上手に付き合いたいものです。