思春期女子の月経前症候群(PMS)
一般的に月経(生理)は小学校高学年から中学生のころになると始まります。
初めのころは、女性ホルモンの分泌が不安定で月経周期も安定しませんが、やがて18歳頃、もしくはもう少し早い年齢で月経の周期が安定してきます。 するとこの頃より、月経前の3~10日間になるとイライラ、ぼーっとする、急に涙が流れたりなどのココロの不調や、頭痛、肌荒れ、眠気、むくみなどのカラダの不調が生じて、学校、日常の生活などに”しんどさ”を感じることがあります。もし、それらの不調が月経が来ると同時に軽くなるならば、月経前症候群(PMS)かもしれません。
未だPMSの原因は明確になっていないようですが、黄体期に分泌される黄体ホルモンが関係しているようです。月経は女性である以上切り離せないものです。上手に付き合っていくためには、まずは月経周期に伴う自分の体調の変化を観察すること。普段からバランスのいい食事を心がけ、胃腸の調子をよくしておくこと。規則正しい睡眠時間や適度な運動などが大切だと言われています。
最近では中学生や高校生でもPMSで学校生活に支障があると訴える女子も多く、外来にもよく10代の女子達がいらっしゃるようになりました。上記の方法をうまく実践していくには、ご家庭でも月経周期に伴う変調に気づいてあげられるといいですね。反抗期と重なり、食事の管理や規則正しい生活への声かけが難しく感じる時もあるでしょう。まずはお嬢さんとのコミュニケーションを普段から取りながら、一人の人格ある人としてお嬢さんを扱ってあげること、同じ女性として共感してあげることが大切です。
それでも上手くいかない場合は、婦人科への受診もひとつの方法かもしれません。